Simple life

Receive All, Love All

rose

Post

Life is Precious

2012
04
10
ring
一回り以上も年下のあっちゃん(仮名)と久しぶりに連絡を取ったのは昨年12月ごろ。日本に帰ってきたから会おうと言ってたのだけれど、私も通院とか姪の子守とかでなかなか時間が合わなかった。

あっちゃんは昔の職場の同僚で、ファッションショーのモデル経験もある、なんしかゴージャスな女性だった。髪もネイルもばっちりでめちゃオシャレな子だけどしっかりしてて、さばさばした子だった。もし職場でなく学校だったら、同じグループになることはおそらくないだろうなぁと思っていた。

当時あっちゃんとはパワーストーンショップで働いていたので、パワーストーンの話とかあとはよく占いとかやってあげてた。私はあっちゃんのファッションにいつも目が釘付けで、メイクとか髪型をどうやってやっているのかよく聞いていたなぁ。シフトが違っていたのであまり一緒に働くことはなかったようなきがする。

そして先日、あっちゃんと久しぶりに会った。実は二人で会うのは初めてだった。あっちゃんが私に会いたがっていることが不思議だった。元同僚とはいえ、私が職場を離れて何年も経ってたし、あっちゃんにとって私の存在は薄いはずでは?と思っていたから。

あっちゃんは相変わらずゴージャスだった。当時と違うのはいつも盛っていた髪も下ろして大人ぽくなっており、どこまで飾るの?って思っていたアクセサリーもシンプルなものに変わっていた。しかし、まったくこんな田舎の商店街(笑)に何を間違ってきたの?と思ってしまうくらい目立っていた。

商店街の中のちいさなカフェに入り、ランチをしながら互いに今まで何をしていたのかを話した。ひとしきり話終わったあと、ふとあっちゃんがメールで去年から体調不良で休職していると言っていたのを思い出し、「いったいどうしたの?病名聞いてもいいのかな?」と尋ねた。

「あ、癌なんだ」

あっちゃんは悲壮な顔をするでもなくいつもの調子で明るくさらりと言った。

「麻酔にアレルギーがあるから手術できなくて、投薬治療をしてるところ。1年、続けているけど良くも悪くもならないんよね。」

あっちゃんは話し続けた。

「それに高校生の時病気になって、病院で血液検査を受けたら白血球の生成が人よりも少ないって言われた。だから普通の人が風邪をひいても熱がでるだけだけど、私の場合は入ってきたウィルスや菌と戦う白血球が少ないから肺炎になってしまったりするって。それに医者には『病気をしたら悪化しやすいからあまり長生きはできないかもしれない』って言われたんよ。」

私はショックで目の前が真っ暗になった。

癌で投薬治療をするときは白血球値を必ず図る。白血球値が上がるまでは次の投薬治療が受けられない。だから白血球値が低いと意味は私の母が同じ治療を受けているからよくわかっているつもりだ。

私は何年か前に中学からの親友をがんでなくした。ちょうどいま、この桜の時期に永遠に会えなくなった。連絡を受けて病院に行ったものの容態が急変し会うこともできないまま彼女は逝ってしまった。とてもショックで長い間立ち直れなかった。その当時、森山直太郎の『桜』が流行った。だから今でもこの曲を聞くと親友のことを思い出す。

今、自分の母も同じ病気と闘っている。こんな時期に大事な人が2人も同じ病気なんて・・・。親友の時のようにまた大事な人を失ってしまうんだろうか?

「あっちゃん、何も知らなくてごめん。早いうちに話をきけなくてごめん。でもどうしてそんなに強くいられるの?私だったら落ち込んでしまって立ち直れないよ・・・。」

あっちゃんは飲んでいたハーブティのカップをソーサーに置いた。そのあっちゃんの指先に映える綺麗な色のシンプルネイルに一瞬見とれた。

「私だってわかったときは泣いたよ。でも、2年前まで働いていた転職先の健康診断で分かったのは、偶然じゃなく体がこれ以上無理をしちゃいけないよ、って教えてくれたんだと思う。だから仕事を辞めたの。仕事は好きだったけど休みがなくて本当に疲れてたんだろうな。

私より大変な人はいっぱいいる。でも、私はこうしてご飯も食べられるし、外に出かけることもできる。定期的に受けなきゃいけない検査はちょっと痛いし、お薬もたくさん飲まなきゃいけないけど、今辛いのはとりあえずそれだけだもん。

高校生の時学級委員長になったんだけど、それは今しかできないことだって思ったから。普通に長生きできて命の心配なんかしなかったらきっとめんどくさくてやってなかったと思う。

なってしまったものは仕方がない。体がいつどうなるかわからないし、人より生きてる時間も少ないだろうから、あれしとけばよかったって後悔したくないんだ。今を楽しまないとって思ってる。」


あっちゃんが私に会いたがってたのは、私が今回帰ってしまったら今度いつ会えるかわからない、そのとき自分の体がどうなってるかわからないから、私が日本にいる間、会える時にあっておきたかったんだ。

そして、私があっちゃんと会った理由もわかった。
私は専門医の治療を受けていたが、結局理由がわからない、治療は受けても無駄だとさじを投げられた。それから、いやもっと前からかもしれない、私は自分を閉じていたんだって気づいた。

あっちゃんはそんな私に生きていることはとっても大切なことなんだよって身をもって教えてくれた。本当は誰も明日のことはわからないはずなのに、私は年ばかり食って何をやってたんだろう。。。


そしてあっちゃんは今までと変わらず美人でお洒落をして、楽しく生きることで周りの人たちに勇気を与えていくんだろうな。彼女は昔から綺麗だけど、本当に美しいと思った。死を見つめても前に進んでいく人たちは皆、神々しく輝き、皆に奇跡を見せていくのだと思う。


そういえば、落ち込んでいたとき、はるか海の向こうにいる義父が私に電話でこういってくれた。


「過去を振り向くな、未来を憂うな、今を生きろ。


 Life is precious.(人生は貴重なものだから)」


関連記事
スポンサーサイト

Open

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。